11、3、2011 震災後のメッセージ」展
2011年3月11日、この日を境に日本は一変しました。 M9の強大な地震。それにより発生した大津波による東日本の太平洋沿岸地域の壊滅的な被害。さらに追い討ちをかけるように“福島第一原発”が大事故を起こしました。放射能は大気中、海洋へと漏れ出し、今もなお事故終息には程遠い状況です。 津波被災地の復興と放射能汚染地域の除染は、日本にとってできるだけ早く解決すべき課題です。しかし、原発事故後時間が経てば経つほど、放射能汚染の除染 の困難さが、普通の日本人の目にも明らかになってきました。子どもは放射線の影響を大人より強く受けます。子どもを持ったお母さんや若い女性の不安は甚大 です。
このような状況の中、アートに何か手助けができるでしょうか。生きることで精一杯の人々にとって、アートなど役立たずでしかないのでしょうか。アートに何ができるのか…。
日本のイラストレーター有志が、世界の仲間たちに声をかけて、この展覧会を企画しました。テーマは「震災そして原発事故後の世界から私たちの未来を考える」。 参加者は、日本から28人、スロヴァキア13人、イタリア3人、オランダ4人、そしてベルギー4人。参加者一人ひとりが、この現実を見据え、メッセージを込めた作品を展示します。
今この時、私たちアーチストができることのひとつ。 私たちの発するメッセージが観客の方々に届き、それが人々の手から手へと伝わり世界に広がっていくことを願い、この展覧会に「手から手へ」展と名づけました。
この展覧会の第一回巡回展は2012年3月から始まります。 多くの方々が会場へ足を運んでくれますように!。
降矢奈々 「手から手へ」展主催者代表
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この企画によせて
降矢奈々とペテル・ウフナールの企画による展覧会"手から手へ・メッセージ11.3.2011"は、高い人道的使命を帯びています。 日 本がみまわれた悲劇的なできごとに思いを馳せるとき、この企画はきわめてアクチュアルなものだと言っていいでしょう。なぜなら、この展覧会は「芸術は、絶 望的な状況に置かれた人々に、どのように手を差しのべることができるのだろう?」という本質的な問いに、答えようとしているからです。 そもそも、物質的な恩恵をまったくもたらさないビジュアル・アートは、住む家をなくし、生きていく意味さえも失ってしまったかもしれない人々に、どんな援助を提示することができるのでしょうか? ひとつの答えは、展覧会が掲げる被災者支援の目的に求められるかもしれません。 この展覧会のために制作された作品は、販売されることになっています。その売上金は、東日本大震災の被害地支援活動に役立てられます。 しかしそれは、この企画の二次的側面にしかすぎません。 この展覧会の主要な課題は、芸術という現象が、絶望の淵にある人々の生にいかによき影響を及ぼすことができるのか、ということにあるのです。 その答えは、芸術は、精神の真価ともいうべき感性豊かな知性を育んでくれる、という事実の中に見出し得るかもしれません。感性豊かな精神的知性を育む芸術は、現在の消費社会を変革する一助となり、精神的価値に基づく新しい社会の創造に貢献できるはずなのです。
マルティン・ヴァンチョ 「手から手へ」展キュレーター
「手から手へ」展キュレーター マルティン・ヴァンチョ
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