ヴィットリア・ファッキーニ |
ヴィットリア・ファッキーニ
1969年2月10日、南イタリアのブーリア州にあるモルフェッタという港街で生まれました。 伝統的な芸術教育を芸術高校で受けた後、フィレンツェにてエディトリアル・デザイン、広告デザインを勉強します。舞台美術家、アニメーター、絵本作家として有名なエマヌエーレ・ルッッツァーティ(1921 – 2007)との出会いは彼女にとって決定的なものでした。爆発的なエネルギーとアイロニーにあふれる、ファッッキーニならではのその力強い「線」を失わずに絵を描き続けるようにと師に励まされた彼女は、イラストレータとしての道を選びます。 1993年からクラフィック・デザイナーとしての活躍を開始し、数多くのデザイン・スタジオやワイン生産者との仕事を展開します。 食品やワインに関するイベントのグラフィックを担当し、トリノの「サローネ・デル・グスト」、ヴェローナ「ヴィンイタリー」、「スローフード」やロンドンの「オステリーア・デラランチョ」などで活躍しました。 同年、子どものための絵本を描き始め、移民の家族や子どもたちを助けるマテーラの医師たちのボランティア団体「トルバ」のために絵本を制作しました。 1997年からは文章、絵、装丁デザインなど、絵本の総合プロデュースをはじめ、「トータル・アーティスト」としての絵本を出版します。 彼女の絵本は現在イタリアばかりではなく、フランス、日本、ポルトガル、韓国でも出版されています。 イタリアではモンダドーリ、フェルトリネッリ、エイナウディなどの主要な出版社から多数の絵本が出版されています。 作家として社会的活動を積極的に行っており、遺伝的疾患に苦しむ子どもたちを介護するミラノの「ラビリタ」というボランティア団体のためにも絵本を制作しています。 2002年にはパリのサロン・ド・リーブル、イタリア年の際に、イタリアを代表する作家として文化庁により派遣されました。 2005年には絵と文の両方をでがけるアーティストたちの絵本出版を専門とする「オフィチーナ・ブルー」という出版社を創設します。 2006年にはイタリアのアンデルセン賞の「ベスト・イラストレータ」賞を受賞しました。 ファッキーニは色を愛し、さまざまな技法を使って制作をしています。 クライエントのためではなく、「自分のために」イラストレーションを描く場合にはペインティングとドローイングの二つを混ぜた巨大なイラストレーションを描き、笑い話や誘惑をテーマとしたインスタレーションの制作に没頭しています。 現在もモルフェッタに住み、昔のままの姿を残した古い、「愛おしい」造船所のある港の前にあるアトリエの内部は、彼女の愛する色たちにあふれています。 このページの作品は作者の参考作品です。 |